センチなお話

髪を切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘘だ。

このところ、外見への配慮が欠落している。

最後に鏡を見たのはいつのことであろうか。

もちろん、社会人として最低限、髭を剃るとか、

シャワーを浴びるとか、歯を磨くとか、

そういったことはできているはずなのだが。

 

温度と湿度の急上昇に伴い、

スーツを着ることもなくなり、

当初は自分だけがルンペンスタイルで出勤することに

幾ばくかの後ろめたさを感じていたが、結局、

毎日フレッドペリー☆ラブみたいな生活を続けている。

 

そんなことをしていたら、昨日、各方面から一斉に

「いつもFred Perryですね!好きなんですか?」

といった指摘を受ける一幕があった。

 

慣れとは恐ろしいものだ。

 

勇気を出して何かを変えて、自分にとって

完全な習慣となった頃に、

他人は初めてその変化に気付くという事実に

改めて打ちのめされた花金であった。

 

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話は変わって、

懲りずにまた転職活動をしている。

大多数の中の、小さな小さな存在。

それを目指して、今の会社に転職した。

同業の中で、最も社員数が多い会社。

2015年8月のことだ。

 

知名度もそこそこあり、

有能な人材が集まっているであろう会社で、

自分という要素を極限まで薄める作業に取り掛かった。

 

何をどうやったって敵わないような奴らに

完膚なきまでにボコボコにされたかった。

歯車としてしか作用できない生活を送りたかった。

 

しかし、その努力も虚しく、

僕はまた転職活動をしている。

今さら何を目指せば良いのかもわからない。

 

ふと、こんなフレーズを思い出す。

 

行くあてはないけど ここには居たくない

イライラしてくるぜ あの街ときたら

幸せになるのさ 誰も知らない 知らないやりかたで

 

無事に健康診断が終わり、

懸念されていた心電図にも異常は見られなかった。

これで心おきなくタバコが吸えるぜ。

ベンジーが肺に移ってトリップするのだ。